日本酒のアルコール度数は、定義上22度未満、一般的には15度前後。カロリーや炭水化物は、どの資料の数字なのか。国税庁・文部科学省・厚生労働省の公開資料から整理しました。
清酒(日本酒)は、酒税法で「アルコール分が22度未満のもの」と定義されています。国税庁の「酒税法における酒類の分類及び定義」は、清酒を、米、米こうじ及び水を原料として発酵させてこしたもの(アルコール分が22度未満のもの)などと示しています。
この22度は定義上の上限であり、一般的な日本酒の度数ではありません。市販の日本酒の度数は、次の項目のとおりもっと低めです。
一般的な日本酒のアルコール度数は15度前後とされています。喜久水酒造は「一般的な日本酒のアルコール度数は、『15度前後』と考えることができる」と説明し、宝酒造インターナショナルも「15度前後」としています。
加水調整をしない原酒は高めです。国税庁の説明事項によると、原酒は製成後に加水調整(アルコール分1%未満の加水調整は除く)をしていない場合に表示できます。宝酒造インターナショナルは、原酒のアルコール度数は20度前後の高いものが多いと説明しています。なお喜久水酒造の原酒の商品例は17度で、銘柄により幅があります。
低アルコールの日本酒もあります。喜久水酒造は、度数5度のスパークリング清酒を低アルコール日本酒として紹介しています。今回確認した範囲では、低アルコール日本酒の度数を定める統一基準は確認できませんでした。
アルコール分は、清酒の容器に必ず表示しなければならない事項です。国税庁によると、製造者の氏名又は名称、製造場の所在地、内容量、品目と並んで、アルコール分の表示義務があります。表示は「度」または「%」で、「13度以上14度未満」「13%以上14%未満」のように示します。
清酒を含む醸造酒では、アルコール分の実際の値±1度の範囲内で「アルコール分○○度」と表示してもよいと国税庁の説明事項にあります(1度単位または0.5度刻み)。ラベルの度数は、細かな実測値そのものとは限りません。ラベル全体の見方は日本酒ラベルの読み方ガイドも参考にしてください。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、清酒5品目のエネルギーは可食部100gあたり102〜107kcalです。炭水化物は3.6〜4.9g、アルコールは12.0〜12.5gです。下の表は同成分表の値をそのまま引用しています。
| 食品名 | 食品番号 | エネルギー | 炭水化物 | アルコール |
|---|---|---|---|---|
| 普通酒 | 16001 | 107 kcal | 4.9 g | 12.3 g |
| 純米酒 | 16002 | 102 kcal | 3.6 g | 12.3 g |
| 本醸造酒 | 16003 | 106 kcal | 4.5 g | 12.3 g |
| 吟醸酒 | 16004 | 103 kcal | 3.6 g | 12.5 g |
| 純米吟醸酒 | 16005 | 102 kcal | 4.1 g | 12.0 g |
数値はすべて可食部100gあたり(廃棄率0%)で、1合(180ml)あたりではありません。ミリリットルからグラムに直すには比重が必要で、成分表の100g基準を1合に換算した値は、このページでは示していません。また、表のアルコール12.0〜12.5gは重量で、ラベルの「度」(容量の割合)とは単位が異なります。
炭水化物は、成分表の項目名どおりの値です。成分表には利用可能炭水化物なども別に掲載されており、たとえば吟醸酒は炭水化物3.6gに対し、利用可能炭水化物(質量計)は括弧付きで2.4gと掲載されています。「糖質」として別の数値を見かけたときは、どの項目の値か確かめてください。
同じ成分表のビール(淡色)とぶどう酒の値は次のとおりです。いずれも可食部100gあたりで、飲む量が違えば摂取量も変わるため、一杯あたりの比較ではありません。
| 食品名 | 食品番号 | エネルギー | 炭水化物 | アルコール |
|---|---|---|---|---|
| ビール(淡色) | 16006 | 39 kcal | 3.1 g | 3.7 g |
| ぶどう酒(白) | 16010 | 75 kcal | 2.0 g | 9.1 g |
| ぶどう酒(赤) | 16011 | 68 kcal | 1.5 g | 9.3 g |
成分表の100gあたりで見ると、清酒(102〜107kcal)はビール(淡色)の39kcal、ぶどう酒(白)の75kcal、ぶどう酒(赤)の68kcalより高い数値です。ただしこれは同じ重さで比べた場合で、実際に飲む量での優劣を示すものではありません。
お酒の量ではなく、純アルコール量(g)で把握することが大切です。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」は、純アルコール量(g)を「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表せるとしています。たとえば度数15度の日本酒1合(180ml)なら、180×0.15×0.8=21.6gです(度数15度と仮定した計算例)。
同ガイドラインは、国内の目標の中で、生活習慣病のリスクを高める量を1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上としています。また、飲酒による影響には個人差があり、体質によってはより少ない量が望ましいとしています。飲酒の健康への影響について不安がある方は、かかりつけ医などに相談してください。
20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています
本ページは飲酒をすすめるものではなく、公開情報の整理です。妊娠中・授乳期の飲酒も避けてください。
Q. 日本酒のアルコール度数は何度ですか?
A. 一般的な日本酒のアルコール度数は15度前後とされています。喜久水酒造と宝酒造インターナショナルがそう説明しています。ただし銘柄によって異なるため、正確な度数は商品ラベルの「アルコール分」表示で確認してください。
Q. 日本酒のアルコール度数に上限はありますか?
A. あります。酒税法では、清酒は「アルコール分が22度未満のもの」と定義されています。これは定義上の上限で、一般的な日本酒の度数を示す数字ではありません。
Q. 原酒は度数が高いのですか?低アルコールの日本酒はありますか?
A. 原酒は加水調整をしていない清酒で、宝酒造インターナショナルは20度前後の高いものが多いと説明しています。一方、喜久水酒造は度数5度の低アルコール日本酒(スパークリング清酒)を紹介しており、蔵元の商品には低めの度数のものもあります。
Q. 日本酒のカロリーはどれくらいですか?
A. 文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では、清酒5品目(普通酒・純米酒・本醸造酒・吟醸酒・純米吟醸酒)の可食部100gあたりのエネルギーは102〜107kcalです。内訳は普通酒107、本醸造酒106、吟醸酒103、純米酒102、純米吟醸酒102kcalです。
Q. 日本酒の炭水化物(糖質)は種類で違いますか?
A. 成分表の100gあたりの炭水化物は、普通酒4.9g、本醸造酒4.5g、純米吟醸酒4.1g、純米酒3.6g、吟醸酒3.6gと、種類によって値が異なります。成分表の「炭水化物」は、利用可能炭水化物など別の項目とは区別されています。
Q. 日本酒のラベルの度数は正確ですか?
A. 清酒は、国税庁の説明事項で、アルコール分の実際の値±1度の範囲内で「アルコール分○○度」と表示してよいとされています(1度単位または0.5度刻み)。「15度以上16度未満」のように幅で表示する方法もあります。
Q. 日本酒1合の純アルコール量はどれくらいですか?
A. 厚生労働省のガイドラインの式(摂取量ml×度数/100×0.8)で、度数15度の日本酒1合(180ml)を計算すると21.6gです。度数が違えば値も変わります。同ガイドラインは、生活習慣病のリスクを高める量を1日あたりの純アルコール摂取量で男性40g以上、女性20g以上と示しています。